未活用農産物等の活用プラットフォームの構築

地域・社会課題

環境への配慮や廃棄コストの削減への問題意識の高まっているものの、農作物や加工副産物は、工業製品と異なり保存期間が短いことや新しい用途が見つからないこと、原料化してもコスト高になってしまいことから、未活用のまま廃棄されている状況が続いてる。

実証内容
  • 集荷~原料加工~供給までのコストを最小化できるよう近隣の食品加工設備を活用し、出荷調整のしやすい保存性の高い粉末等の原料化を行う。新しい用途として手軽に野菜を摂取できる防災食にもなるスイーツやスープ等の商品化を行い、利用促進につなげる。
  • 補助金額(交付決定額):1,320万円
期待される効果や、地域・社会へのインパクト

地域の食品会社、飲食店等と一緒に地産地消、地域備蓄による防災力のアップなどの新しい産業の創出を通じて、未活用農産物が無くなり、廃棄コストの削減だけでなく、焼却処分や畑に混ぜ込むことによる環境負荷の低減につながる。

収益源

防災備蓄食の販売、粉末原料の販売

事業者名

株式会社エーエスピー
https://www.agrisp.jp

実証地域

北海道帯広市、長野県南佐久郡川上村、愛知県豊橋市、福井県大野市、坂井市、広島県呉市、東広島市、京都府京都市、和歌山県東牟婁郡古座川町、兵庫県神戸市、宮城県栗原市、岩手県九戸郡九戸村

コンサルタントからの応援コメント

(株)エーエスピーは、未活用農産物、加工副産物を加工原料化(野菜パウダー等)、販売する。食品ロス低減、食品廃棄物の削減により循環型経済の実践を目指す。

消費者サイドにおいては、従来廃棄していたものが栄養、味覚ともに優れた食品原料に生まれ変わることを直感的に理解でき、それを活用することが環境配慮行動につながると自覚できる。現在、野菜パウダーを主に菓子向けに供給しているが、今後はより広い見込み顧客へのメニュー提案を含めた活用事例の蓄積が必要になってくる。

野菜パウダーの市場には競合他社が多い。ポジションを維持するためには環境配慮型の取り組みとしての価値を高めていく必要がある。現在青山学院大学と連携しエーエスピー商品の単位あたり如何ほどの環境負荷低減効果があるのかを可視化する取り組みが進んでいる。又高校、大学、専門学校と連携して教育プログラム(食育、商品化プロセス体験など)としての取り組みも始まる。

農業においては地域を問わず、廃棄コストの極小化は共通の課題であり連携可能性のある自治体は多いが、特に規格が厳しい、収量が不安定など、歩留まり率の悪い作物を生産している地域とは連携可能性が高いと考える。