河川管理のIoTによる災害対応強化を目的とした、
後付け型水門自動開閉化機器「水門ボット」の実証試験

地域・社会課題
  • 台風、大雨時の河川洪水被害
  • 水門管理員の高齢化、人員不足
  • 河川管理のIoT化の遅れ
実証内容
  • オートマイズ・ラボは既設の水門に後付できる自動開閉化機器「水門ボット」の開発を進めている。
  • 福岡、熊本県の既設水門に水門ボットを取付け、実証評価を行う。
  • ソーラーバッテリーや通信ユニットなどのオプションが付いた水門ボットを10セット製作し、水門開閉性能、遠隔操作性能を評価するとともに、省力化効果、洪水時の安全性向上評価等を行う。
  • 補助金額(交付決定額):3、000万円
期待される効果や、地域・社会へのインパクト
  • 洪水被害軽減
  • 水門管理者の安全確保、負担軽減、省力化
  • 水門設置及び遠隔自動化コストの軽減(既設の有効活用)
収益源
  • 水門ボットおよびオプションの販売収入
  • 水門ボットおよびオプション機器のメンテナンス収入
事業者名

株式会社オートマイズ・ラボ
https://automize.co.jp

実証地域

福岡県うきは市、みやま市、柳川市、飯塚市、久留米市、大川市、熊本県人吉市、高知県須崎市

コンサルタントからの応援コメント

河川管理のIoTによる災害対応強化を目的とした、後付け型水門自動開閉化機器「水門ボット」。既存水門に後付けできる機器の設置により大規模改修が不要となり、低コストで遠隔で自動開閉する機能を実装します。水門の開閉は、地元住民の協力も得ながら手作業で数時間かけて実施しており、特に降雨時や夜間の水門での作業は事故につながるリスクが大きい。昨今の気象状況における水門管理において、遠隔での自動開閉は現場作業員のリスク低減など、地域の安全を守る作業での課題解決に大きく貢献します。

一方で、本製品はこうした事故のリスクを低減し管理を省力化することにとどまらず、加えて、監視カメラやセンサーによるデータ取得により、今後のまちづくりへの発展も考えられます。天候、雨量、河川の水位、各水門の開閉度合いなどの各水門でのデータを組み合わせ、浸水予測などにつなげるなど、治水や利水という観点での取組に期待が膨らみます。また、河川だけでなく、農地やため池などを管理する水門への展開でき、水災害に対してより計画的な想定ができ、土地利用や農地保全や保険制度の設計など地域の安心安全な暮らしを支えるための新たなビジネス創出に寄与すると感じています。

水門ポッドによる河川の水門管理におけるリスク低減は全国的な課題に対して大きく貢献します。そしてそれだけでなく、新たなまちづくりにつながる取組としても期待でき、各省庁や行政において河川管理への貢献という一担当部署だけの議論にとどめず、農業関連などの領域でも興味が深まれば、全国あらゆる地域での課題解決に貢献できるものと期待しています。