海洋観測機群と気象衛星と連携した海洋分析プラットフォームによる
「新たな資源管理システムの構築」と「養殖成長産業化」の実現

地域・社会課題
  • 海面養殖業において環境変化による不安定な収量品質、重労働、地域の過疎化に伴う担い手不足で、水産物の生産量の伸び悩み。
  • 気候変動による海洋環境の変化を捉えきれず、水産物などの資源管理や環境整備が出来ていない。
実証内容
  • IoT海洋観測機「うみログ」で観測する海の局所的なデータと、気象衛星から得られる海の大局的なデータを、開発する海洋分析プラットフォームにて分析することで、各地域に以下の支援を行う。■黒海苔:色落ちアラート発信し、高品質な海苔を収穫。■真珠:海流予測をし、貧酸素の早期発見による斃死の減少。■牡蠣、アサリ:プランクトン量を把握し、高品質な貝を収穫。■魚類:赤潮・高水温を把握による斃死の減少。■環境整備:データ分析による資源管理方法の検討。
  • 【補助金額】:1,803万円
期待される効果や、地域・社会へのインパクト

儲かる漁業を作り、地域のブランド化や、担い手確保にもつながる。

収益源

自治体への観測機器販売と、分析アプリの使用料

事業者名

株式会社アイエスイー
https://www.ise-hp.com

実証地域

三重県(桑名市、木曽岬町、鈴鹿市、津市、松阪市、明和町、伊勢市、鳥羽市、志摩市、南伊勢町、大紀町、尾鷲市、熊野市)愛知県(田原市、西尾市、常滑市、南知多町)広島県(江田島市、呉市、廿日市市、広島市、大竹市)

コンサルタントからの応援コメント

日本の漁獲量および養殖量の減少傾向により水産事業者の収入減少、成り手不足、高齢化という問題が起きている。アイエスイー社は、海洋観測機&分析プラットフォーム「うみログ」を販売、運営することで、水産業のICT化に寄与をしている。

各自治体および漁業協同組合の協力を得て、黒のり、真珠、牡蠣、魚類養殖業者にうみログを導入、活用してもらってきた。うみログで得た情報をコミュニケーションアプリ「Line」を通じて、うみログ利用者へ配信。また、うみログ利用者がLineのグループ内で意見交換を行うことで、うみログの有効活用が加速してきた。

黒のりは、クロロフィルと収穫タイミングの関係性が明らかになり、データ予測に基づいて売上を拡大することができた。また、水中写真より、のり網周りにいる黒鯛が黒のりを食べることが判明。食害防止対策により収穫減少を防ぐことができた。

真珠では、水温や酸素濃度の低下によりアコヤ貝が斃死することや、塩分濃度が低下で真珠の玉の照りが悪くなり、品質が下がることが判明。漁業者はうみログデータの活用で、養殖場所を移動させることができ、収穫量の減少や品質低下を防げることに成功した。

同社の事業は「地域・企業共生型ビジネス導入・創業促進事業」としては、3期目となり、養殖業者、漁業業者への導入が進んでいる。更なるうみログの活用、利用方法の研究により、水産事業者の収入減少、成り手不足という問題解決に期待ができる。